DAYZ.の農業体験イベント 〜大豆の種まき編〜

 

2018年6月3日(日)、東京から約2時間、神奈川県の西に位置する

南足柄市の矢倉沢という里山にあるDAYZ.の畑で大豆の農業体験イベントが行われました。

 

 

“DAYZ.”とは、東京の末広町で PARK GALLERY というアートギャラリーを営む加藤淳也さんによる「大豆という食文化を通じて暮らしを豊かにしていくためのプロジェクト」です(http://dayz.today/)。

私たちの食卓に欠かせない大豆が“どこでどのように作られているのか”を改めて考え、その裏側にある“物語”にも目を向けてみることで日々の暮らしはより良いものになるのではないか。

そんな想いのもと、大豆に関する情報の発信や、とうふ作りのワークショップの開催、そして実際に畑で大豆を育てるなど、大豆を中心とした食や文化に関わる様々な活動を行なっています。

 

この日はDAYZ.の畑が始まってから3年目となる種まき。

雲ひとつない青空に向かって力強くそびえる山々と、瑞々しく茂る木々に燦々(さんさん)と降り注ぐ日差し−今年最初の夏日でした。

 

午前11時、種まきに参加してくれる男女30名ほどが畑に集合しました。

これまでもDAYZ.の畑を手伝ってくれた人、初めて参加する人、農業高校出身の人、土とは無縁の生活を送っている人など、その顔ぶれは様々です。お子様連れで来てくれた方もいました。

 

 

1年目は、長雨や雪の被害にやられてほとんど収穫することができなかったDAYZ.の大豆。

2年目はその反省を生かして、種まきの時期の調整や畑の水はけが良くなる工夫をし、10種類ほどの異なる品種を育てました。

 

DAYZ.の畑で育てているのは、“在来種”と呼ばれる大豆です。

在来種とは、国の奨励で育成しやすいよう品種改良された種ではなく、“その地域で昔から守られている種”のことをいいます。コクや甘みの強い濃厚な味わいが特徴です。

一方で、生産適性が低く大量生産には向いていないため、積極的に育てている農家さんが限られているという現状もあります。

DAYZ.の畑では、「おいしく」そして本当に安心・納得して食べることができる大豆を育てるため、この在来種を農薬を使わずに育てています。

 

こうして迎えた3年目。

今年は、南足柄の山あいにある石窯焼きのパン屋「たかはし」の高橋さんの畑からおすそ分けしてもらった神奈川県の津久井在来という大豆、そして不作だった2年間を生き延びたDAYZ.の大豆、この2種類を植えることにしました。

 

 

この日の作業はまず土を耕し、畑を柔らかくところからはじまりました。

ここは男性陣が活躍。ふみ君(小2)も頑張ります。

 

 

次に、等間隔に畝(うね)を作ります。

畝を作ることで水はけが良くなり、大豆が乾燥するのを助けてくれます(大豆は畑の上で枝豆が立ち枯れて、さやが乾き茶色くなった秋頃に収穫をします)。

 

 

畝が出来たらいよいよ種まき。

みんな一列に並んで、畝の山の部分に指で小さな穴を空け、端から順に種を埋めていきます。

種の中には芽が出ないものもあるので、発芽率を上げるためひとつの穴に2〜3粒を入れるのが大事なポイントです。

 

 

日本人なら毎日のように口にしている大豆ですが、ほとんどの参加者が『種』として大豆に触れるのは初めての体験。

慣れない土の上、慣れない手つきながらも徐々にみなさんそれぞれのペースでコツを掴んでいってる様子でした。たくさんの参加者のおかげで賑やかなムードのまま作業はスムーズに進み、あっという間に種まきは終了。

枝豆、大豆として収穫するまで、あとは無事に育ってくれるのを祈るばかりです。

 

お昼を過ぎてお腹が空き始める頃。昼食はみんなでバーベキューです。

肉や野菜に加えて、大豆の種を分けて下さった高橋さんからの差し入れの天然酵母のパンや、DAYZ.の大豆を使ったトマト煮込みなど、様々なメニューが並びました。

体を動かした後に青空の下で食べるご飯はやはり格別。参加者さんからも笑顔が溢れます。

一緒に体を動かして作業し、一緒に美味しいごはんを食べる。ただそれだけのことで、日ごろ別々の場所で暮らす人たちが自然と打ち解け合えるのも畑の魅力のひとつです。

 

 

お腹も満たされた頃、アコースティックユニット MIZ のライブがスタート。

二人の歌声とアコースティックギターの響きが自然の音と溶け合っていくのを、木陰に座って聴き入ります。

茶目っ気のあるトークも交えながら、穏やかな時間が流れていきます。

 

 

DAYZ.の畑3年目の種まきが終了しました。

 

都会で暮らす参加者さんがほとんどの中、みんな泥だらけになりながら笑顔で作業し、帰る前には畑の周りを散歩したり、木陰で寝転んだり、思い思いの過ごし方で南足柄の自然を満喫していました。

残った大豆は、家の庭やプランターで育てることもできるので、お土産として持ち帰り、それぞれの自宅で育てることができます。こうして『大豆』をより身近に感じてもらえたらと、私たちは思います。

 

その後、6月と8月に草むしりを行い、 9月8日(土)に枝豆の収穫、そして11月24日(土)に大豆の収穫が農業体験イベントとして行われる予定です。

特に枝豆の収穫は、『食べる』喜びも味わえます。収穫してすぐに畑の上で茹でて食べる枝豆は本当に言葉にならないほどおいしく、畑に行かないと味わえません。

みなさん、ぜひ参加してみてください。

 

 

DAYZ.の農業体験 〜枝豆の収穫〜 に参加する方はこちらから

 

同じカテゴリーの記事